B! ゴロビシャ

ブロッキング是非の議論、カワンゴの意見

海賊版の被害が広がる中、有効な対策を見いだせるのか。有識者会議の委員を務めたカドカワ川上量生社長と、森亮二弁護士に会議の評価と対策について聞いた。

 

各社連合のキャラクターが海賊版サイトを利用しないように呼びかける

各社連合のキャラクターが海賊版サイトを利用しないように呼びかける

 

川上量生カドカワ社長「ブロッキングしかない」

 

かわかみ・のぶお 91年京大工卒、97年ドワンゴ設立。14年にKADOKAWAと経営統合し15年から現職。

かわかみ・のぶお 91年京大工卒、97年ドワンゴ設立。14年にKADOKAWA経営統合し15年から現職。

――有識者会議が無期限延期になりました。

「ある程度予想どおりの結果だ。普通に海賊版サイト対策を議論すると単純にブロッキングしか方法がない。ブロッキングの弊害など順当に議論が進むはずだったが、反対派がブロッキングを阻止することを運動に掲げた。議論では分が悪いので、戦術として世論操作に走ったという感想だ」

――反対派の主張についてどう感じていますか。

「基本的に非常に無理筋な主張が多い。反対派は海賊版サイトの被害額が約3000億円というのは多すぎると指摘するが、漫画の単価とダウンロード数をかけて被害額を算出するのは一般的だ。その数字をブロッキングの議論の時にだけ、ルール違反だと騒ぐのはおかしな主張だ」

「被害額などについて批判するものの、(被害額などの)正しい数字を出すこともない。それでも数字がおかしいから立法事実がないと強引な主張をしている」

――有識者会議の成果はなんでしょうか。

海賊版サイトへのリンクを集めた『リーチサイト』規制への議論が進んだのは非常によかった。ただリーチサイト規制も決定的なものではなく、最終的にはブロッキングに類する方法を使わざるを得ないと思う」

「現在は海賊版サイトに注目が集まったことで、海賊版が違法だという認識が広まり、新しい巨大海賊版サイトは出ていない。当面は大丈夫だろうが、この間に対策を進めないといけない」

――「漫画村」のサイト配信を中継していた米国の企業の協力で運営者が特定され、ブロッキング以外の対策の有効性を求める声もあります。

「(米IT企業の)『クラウドフレア』の方針変更に加え、運営者のミスで特定できた部分が大きい。『クラウドフレア』のサービスは匿名や偽名でも利用できるので海賊版サイト対策としては効果は限定的で、ブロッキングが必要でないという議論にはならない」

――政府に今後どのような対策を求めますか。

ブロッキングの法制化について議論を継続してほしい。議論が継続していくことが必要だ。日本のネット接続業者は児童ポルノサイトではブロッキングを実行済みだ。同じ措置を海賊版に適用するのがダメだという理由がよく分からない」

■森亮二弁護士「総合的な対策が必要」

 

もり・りょうじ 90年東大法卒、97年弁護士登録。02年米ペンシルベニア大学ロースクール修了。

もり・りょうじ 90年東大法卒、97年弁護士登録。02年米ペンシルベニア大学ロースクール修了。

――政府の有識者会議が無期限延期という異例の結果になりました。

「そもそもボタンの掛け違いがあった。こちらは海賊版サイト対策会議だと思っており、広くブロッキングの適否も含めて対策を話し合い、ブロッキングに異論が多ければ他の対策についてしっかり検討してもらえると思っていた。しかし実際は賛成派にとってはブロッキング法制化会議だった」

ブロッキングも効果はあるだろうが限界もある。反対派が総合的な海賊版サイト対策を主張し、賛成派は他の対策は大した効果はないんだと言って深掘りもしない。本当に海賊版対策をしたいのかと思った」

――両論併記で中間報告書をまとめるという案にも反対しました。

「簡単にいうと両論併記の報告書を出せば『十分な議論を尽くされて賛否両論があったが、行政としては法制化が必要だと考えるので、法制化を進めます』ということですんなり法制化が進む。これが問題だということだ」

――報告書をまとめないということに対して委員の間から批判もあった。

「報告書をまとめるかどうかというのはそんなに重要なことでない。むしろ海賊版サイト対策という政策課題があるわけだから、対策についての情報をしっかり集め、その対策を効果的に実現することがミッションだ」 「著作権侵害だけではなく、他の国民の権利も検討会で議論する対象だと言ってきた。合理的な理由なく、通信の秘密が犠牲になるのであれば報告書を出さない選択肢も当然有り得る。それが合理的な選択だし、それが国民の負託に応えるということだ」

――ブロッキング以外の海賊版対策としては何が有効なのでしょうか。

「どれも(一撃必殺の)銀の弾丸ではないと思うが、『漫画村』のサイト配信を中継していた米国の企業を訴えて運営者を特定したのは非常に効果があるのではないか」

「ウェブサイトへのアクセスを効率化するサービス『コンテンツ配信ネットワークCDN)』に対する法的手続きも同様だ。常に有効というわけではないが、CDNを使わなければ、そこまで大きな規模の被害にはならない。(海賊版サイトへの)広告の抑制なども含めて、複数の対策の組み合わせで総合的にやればかなり被害を抑えられるのではないか」

(聞き手は企業報道部 篠原英樹)

 

日経産業新聞 2018年12月14日付]

ブロッキング是非の議論、袋小路に 有識者に聞く :日本経済新聞

出版大手としての立場と弁護士としての立場

からは両者平行線でしょう。出版社は海賊版サイトの直接の被害者です。

しかし、サイトのブロッキングはそれと同時にプロバイダー側の負担になります。

また、表現の自由という面も保証せざるえないので、サイトのブロッキングには慎重になる立場もわかります。

これは、企業だけでなく、官庁の対立もあります。文化庁総務省です。

どちらも利害に影響しますので、意見を譲る気はないでしょう。これに関しては、もう国のトップが動かなければずっとこのまま平行線を辿ることになると思います。

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